はじめに:時間通りにいかない瞬間が、一番険悪になる
家族旅行の途中、こんな経験はありませんか?
渋滞で予定がずれたとき、電車の遅延で到着が遅れたとき――
車内や駅で、誰も口を開かなくなる。
「なんで早く出なかったの」「だから言ったのに」。
その一言で空気が悪くなる。
パーポス家でも、昔はそうでした。
けれど、あるとき気づいたのです。
それは時間の問題ではなく、感情の処理のしかただった、と。
パーポス家の経験:予定が崩れるたびに、空気が悪くなった
家族旅行では、誰も悪くないのに雰囲気がピリッとする瞬間がある。
以前の私は、そうなるとつい「なぜこうなった?」と原因を探していました。
けれど実際には、渋滞も遅延も天候も、自分の力ではどうにもならない。
問題は、“その事実をどう受け止めるか”。
時間のズレそのものではなく、焦りや不安の伝染が、
家族の空気を悪くしていたのです。
家族が時間で喧嘩する3つの構造的な理由
① 「自分は悪くない」と思いたくなる瞬間
渋滞や遅延など、避けようのない出来事が起きると、
人は無意識のうちに「自分は悪くない」と唱えています。
それは責任逃れではなく、自己防衛反応。
「せっかくの旅行なのに…」という落胆や不安を、
誰かのせいにすることで一瞬だけ軽くしたいのです。
でも、その矛先が家族に向くと、
「あなたのせい」「私は悪くない」でぶつかってしまう。
② 「決断した自分」に責任を持ちきれない不安
公共交通の遅れや渋滞は自分では防げません。
でも、“旅行に行く”と決めたのは自分。
だから心のどこかで、
「この選択が間違いだったのでは?」という
無意識の後悔や不安が生まれることがあります。
でも、旅行に「完璧な選択」はありません。
ノーリスク・ノーゲイン。
予定通りにいかないことを受け入れたうえで、
「致命傷にならないように準備しておく」だけで十分です。
自分を責める必要も、旅行を否定する必要もありません。
③ 「焦り」が“未来”や“過去”に意識を飛ばす
渋滞の中で、私たちはこう考えがちです。
「間に合わなかったらどうしよう」 → 未来への不安
「あのとき早く出ればよかった」 → 過去への後悔
心が“今”から離れる瞬間に、イライラが生まれます。
焦りは事実ではなく、想像が作り出す不安。
そんなときは、「なんとかなる」と小さく言って、
今できること(音楽を流す、飲み物を渡す、外の景色を見る)に戻る。
精神を未来や過去ではなく、「今」に留めておく練習です。
想定外に強くなるための“現実的な備え”
焦りを根本的に減らすには、
“想定外を想定内にする”仕組みを作っておくことが大切です。
✅ 旅行前に「遅れたら何が起きるか」を把握しておく
- チェックインやチケットの受付は何分まで有効?
- 遅延時、どこに連絡すればいい?
- 代替便や次の列車はある?
✅ リカバリーの選択肢を事前に準備しておく
- 保険・キャンセル補償でカバーできる範囲を確認
- “遅れても問題ない”ゆとりあるスケジュール設計
✅ 焦らないための心の準備
- 遅れたら「どんな影響があるか」を具体的に想定
- 事前に考えておけば、現場で慌てず対応できる
「なんとかなる」を家族の合言葉に
焦りや怒りは伝染します。
でも、“落ち着き”もまた伝染します。
「遅れたけど、まあ仕方ないね」
「予定より遅れたけど、結果オーライ」
そんな言葉を口にするだけで、
家族の空気は穏やかになります。
予定通りに進む旅より、
予定外を笑って受け入れられる旅のほうが、ずっと思い出に残る。
まとめ:時間通りに進まない旅ほど、人の本性が出る
- 想定外でイライラするのは自然なこと。
- でも、「自分は悪くない」と思う反応を家族に向けない。
- 起きた事実を受け入れ、焦らず、今にフォーカス。
- トラブルに強い旅は、“想定外を想定内にした”旅。
- 一番守るべきなのは、予定ではなく、家族の笑顔。
渋滞や遅延は、家族のチーム力を試すチャンス。
「なんとかなる」と笑える旅こそ、
家族の絆を深める最高の時間になります。


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