はじめに:家族旅行で一番イライラする瞬間
せっかく計画を立てたのに、渋滞・天気・トラブルで崩れていく。
家族旅行で一番険悪になるのは、実はこの「予定通りにいかない瞬間」ではないでしょうか。
パーポス家でも、以前はそうでした。
スケジュールが押すたびに、「なんで?」「誰のせい?」という言葉が出てしまう。
でも本当の原因は、「ズレ」そのものではなく、
そのズレにどう反応するかを自分で選んでいたということでした。
メキシコで気づいた「怒ることを選んでいた自分」
ある年、家族でメキシコを旅行していたときのことです。
帰りの便がまさかの8時間遅延。
空港泊になり、疲れ果てた私は、いつものように不機嫌になっていました。
でも、ふと子どもたちを見ると――
彼らは「旅行が伸びたね!」と笑っていたのです。
その瞬間、ハッとしました。
「不機嫌になる」も、「楽しむ」も、自分で選べる。
私は、怒るほうを無意識に選んでいたのだと。
予定通りにいかないことは、ただの「事実」。
それを“怒る理由”に変えていたのは、自分自身でした。
計画通りに進まないとき、私たちは何に怒っているのか?
「自分の思い通りにならない」ことへの反応
人がイライラするのは「時間」ではなく、「コントロールを失った感覚」。
「予定通り」というのは、安心感の仮面なんです。
それが崩れると、不安が怒りとして表に出る。
でも、子どもたちは違います。
彼らは「今この瞬間」を生きていて、未来のズレに意味を与えません。
楽しめるかどうかは、「未来」ではなく「今」の選び方次第。
私も「旅行を仕事にしていた」
以前の私は、旅行を「仕事のように」捉えていました。
計画を立て、その通りに進めば成功。
ズレたら修正して、時間を取り戻す――まるで出張のように。
でも家族旅行は仕事ではありません。
“成果”を出す時間ではなく、一緒に過ごすための時間です。
頭ではわかっていても、心はなかなか切り替わらない。
だから、計画通りにいかないと「自分がちゃんとやれていない」と感じてしまう。
私も長い間そうでした。
家族のために段取りを頑張るほど、
「失敗したくない」という気持ちが強くなり、
かえって楽しめなくなる。
今は「まあいいか」と笑うことを、あえて選ぶようにしています。
家族旅行はタスクではなく、一緒に過ごす練習だからです。
「予定外」を味方にする3つの考え方
① 想定外は「敵」ではなく「物語の一部」
渋滞も、雨も、トラブルも、旅のストーリーの一部。
後で思い出すと、むしろ印象に残るのはそういう瞬間。
予定外を「困難」ではなく、「話のネタ」に変える視点を持ちましょう。
② 「楽しむ」も「怒る」も、自分の選択
感情は他人ではなく、自分が決めている。
「どうせなら笑って過ごそう」と意識するだけで、
同じ出来事でもまったく違う記憶になります。
③ 「ズレてもいい旅程」を最初から作る
- 行きたい場所を3つに絞る
- 午後は「予定なし」時間を入れる
- 「もし〇〇できなかったら」を決めておく
ズレを前提にスケジュールを組むと、予定通りに進まなくても笑っていられます。
子どもは“今”を楽しむ達人
空港で笑っていた子どもたちを見て、私はこう思いました。
大人は「時間を守る」ことばかり教えられてきたけれど、
子どもは「時間を味わう」ことを知っている。
大人になっても、その感覚を少しだけ取り戻せばいい。
そうすれば、想定外の出来事も「豊かな時間」に変わります。
まとめ:怒るのではなく、選び直す
- 計画通りにいかないのは、旅の常。
- そのとき「怒る」か「笑う」かは、自分で選べる。
- 家族旅行は“進める”ものではなく、“味わう”もの。
完璧なスケジュールよりも、「どんな時も笑っていられる家族時間」。
それがいちばん心に残る旅の思い出です。


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