「旅行ロス」とは、心がちゃんと旅をした証
家族旅行から帰ってきたとき、
「ああ、終わっちゃったな」と感じる瞬間はありませんか?
帰宅してスーツケースを開けたとたん、
現実が一気に戻ってきて、心が静かに沈む。
これは旅行ロス(Post-Travel Blues)と呼ばれるもの。
旅先で非日常の刺激をたくさん受けた心が、
日常の穏やかさにまだ追いついていないだけなのです。
でもそれは、心がちゃんと旅を楽しんだ証拠。
「寂しい」と感じるのは、充実した時間を過ごせたから。
(参考:たびする時間「旅行ロスとは」)
なぜ旅行から帰ると気分が滅入るのか
① 「非日常」から「日常」への落差
旅では、時間も空気も違います。
見るものすべてが新しく、感情もいつもより動く。
その分、帰宅後の静けさが寂しく感じられるのです。
② 「やらなきゃ」が押し寄せる
帰宅した瞬間に、洗濯、片付け、仕事の準備。
現実のタスクが一気に押し寄せて、心の余白が奪われます。
旅が終わったというより、心の切り替えが追いついていない状態です。
③ 「もう終わり」という喪失感
旅が楽しかったほど、「もう戻れない」と感じる。
でもそれは、旅が心に深く残った証。
むしろ、寂しさを覚えるほど豊かな時間を過ごせたということです。
パーポス家の対策:旅の後半から“日常を思い出す”
旅行ロスは、帰宅後に急に起きるわけではありません。
実は旅の後半の過ごし方で、気持ちの落ち込みをやわらげることができます。
パーポス家では、旅の終盤に「日常の良さ」を思い出す時間を意識的につくっています。
① 旅の最終日に「日常の良い点」を書き出す
旅の最後の夜、ホテルでノートを開いて、
こんなことを書き出してみます。
- 仕事があるから、家族でこうして旅行できている
- 家で食べるご飯も悪くない
- 家族と適度な距離があるからこそ、こうして笑える
- 翌週に誰かが「おかえり」と言ってくれる職場がある
旅の終盤に“日常への感謝”を見つけると、
旅行が終わることが「寂しさ」ではなく「充電完了」に変わる。
旅の途中で“帰る自分”を想像できると、
帰宅後の切り替えも驚くほどスムーズになります。
② 帰宅した夜は「片付けより語る」
パーポス家では、帰った夜はすぐ片付けず、
まず「旅を語る時間」をとります。
「どこが一番楽しかった?」
「また行きたい場所、あった?」
会話の中で、旅の空気がもう一度蘇ります。
言葉にすることで、思い出が記録ではなく家族の物語に変わるのです。
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③ 写真はまとめて整理より少しずつ語る
写真整理を一度に終わらせるのではなく、
1日1枚だけ選んで、家族で思い出を語り合う。
そうすると旅が終わったものではなく、
続いているものとして心に残ります。
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「旅行ロス」を前向きなエネルギーに変える
旅を終えて感じる「寂しさ」は、
実は日常を取り戻すためのエネルギーの始まりです。
旅は現実逃避ではなく、現実を見つめ直す時間。
旅の後半で“日常の良さ”を再確認することで、
「また頑張ろう」という自然な力が湧いてきます。
パーポス家では、
旅の終盤に「次の目標」を少し話すようにしています。
「次は夏にここへ行こうか」「来年は祖父母も一緒に行こう」
そんな小さな未来の話が、旅の終わりをやさしく包んでくれます。
まとめ:「旅が暮らしに戻る瞬間」を楽しもう
旅行ロスを感じるのは、心が動いた証拠。
でも、旅の終盤で“日常の良さ”を再発見できれば、
その寂しさは「リフレッシュの証」に変わります。
旅が終わるときこそ、次の暮らしが始まる瞬間。
家族旅行は「非日常の思い出」ではなく、
日常をもう一度好きになるための時間なのだと思います。

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